TATSコーポレーションのテーマ:
−技術の日本化をすすめる−
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日本のミンチ市場は、冷凍10kg単位 鶏製品と統一されています。
しかし、機械は北米産の大量生産型と歩留り至上主義の技術が主体であり、我々の生産現場と相容れにくい機械構造や能力の問題があります。アメリカでの前提は、大量のガラをまずグラインダーで砕いてからセパレーターに送り込み、ミンチは1t単位のチルド流通とではギャップがあります。
それに対して日本のブロイラーはアメリカ鶏よりはるかに大きい生体重3kgだからガラも大きいからフィードスクリューの上で遊んでしまう現象がおこっています。今後も鶏はもっと大きくなるでしょう。またアメリカでは廃鶏中抜きからのミンチは生産していません。
ですから<つくり方を考えましょう>。
弊社はさらに機能性の高い部品の改良を分担します。
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−骨肉分離機械 debonerをつくった人々−
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アメリカ人は本当によくホットドックを食べます。 メジャーリーグの野球場でのビールとホットドックは定番のアメリカ文化です。空港の朝飯はまずホットドックでしょう。そのソーセージはチキンミンチ100%原料で作られています。鶏の首やガラからミンチを作る[骨肉分離機]を発明した先人達はどんな熱い思いをもって開発の苦渋や成功をしてきたのでしょうか。
日本は魚のすり身機械が早い時代からあったので食品加工の技術革新のstoryは知られています。
でも 日本の機械では鶏のガラは固くてどうしてもすり身に骨片が多く混入してしまいます。
・ビーハイブBEEHIVEのRoss Taylorを私は昭和51年にユタ州ソルトレイクに訪ねました。初めて会った印象は 西部劇の悪役の風貌そのもの!
ロス・テイラーは長らく鶏の処理工場を経営していて、ナイフを使わずに首の肉を切る事ができないかと考えていたそうです。ビーハイブ社を創業者だが、社長は発明したRae
McFarlandでした。ロスは当時の機種AU4171をロシア,東欧まで世界中に売り込みました。 正に西部の男。開拓者魂。
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ビーハイブAU4171 |
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・ラピターRaptor レイ・マクファーランドは、その後自分のミンチ工場のためにRaptorを開発し革命的なミンチ製品を売りました。 レイとロスとは、30余年も友人で又師としてのお付き合いをしてきています。
・イールドマスターYieldmaster 3人の男達の発案の機械で特許をすぐ転売しました。そして再転売。
Robert Beck-彼の英語は判りにくかった。日本にとっては中型のいい機械で一時期は全国にありました。
・PRINCEプリンスはUSAで多く使われているハイスピードマシーン。
どでかいモーターが直結で1000rpmと逆な構成で回します。でも これでは肉の繊維を潰してしまいそう、高い歩留は血液も絞り出した結果という印象がします。オーナーのJack
Princeは理論家の紳士という印象でした。
・カナダ産のポスPOSS ドイツ出身のWorner Possウォーナー・ポスはプラスチック加工機技術者でした。 |

プリンス |

ポス |
パートタイマーでミンチ工場の手伝いをしていて改良を積み重ねた結果の産物です。もっとも大きな肉片を切りだそうと2mmの薄いプレートを110枚重ねたスクリーンをつくる特許は、発想が違っていてユニーク。
穴径の表面積が非常に高いスクリーンです。骨肉分離,筋抜き,コラーゲン処理と多様な仕事ぶり。
頑固なドイツ老人は自説を曲げません。私の質問に結局 彼はなにも答えてくれませんでした。
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その外にドイツのバーダーBAADER、USAのタウンゼントTownsent, パオリPaori, フランスのリマLIMAがアメリカの展示会で見られる機種でしょうか。
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骨肉分離機の原理 Principal of deboning
多くの骨肉分離機械の共通点で説明すると<スクリーンの中で硬さに反応させて(柔らかい)肉と(固い)骨/皮/筋との分離が生じる>と考えられます。
まず 原料(鶏のガラ/中抜きと体でも)に適切な圧力をかけると極端に言って肉が液状化すると思ってください。
それが肉だけが回転するオーガーとスクリーンの穴から外へ押されるのでミンチ肉が分離Separateします。
骨 皮 筋は、先端に押し込まれ粉砕されて排出されます。どこでも適正な圧力が、ストレートに流れることがよい分離を持続します |
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<出来ないこと>
骨 皮 筋が過多の原料、肉だけでも機能しません。グラインダーではありません。
温度が低くすぎるとよくありません。
原料温度が、2℃以下では全体が固いので生産性はダウンします。
冷凍の状態では、最悪で歩留り、生産性が落ちるだけでなく、機械の破損もおこりえます。 |
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[[ チキンミンチ生産管理講座 ]] Management
* 機械の稼動状態とその対処 *
ケースNo.P-1 ホッパー内で原料がローリングしている
<現 象> ローリングは悪!
ローリングは常に起こっているからとの認識は間違い
<影響すること>
・ガラが潰されて細かくなり、品質の劣化原因と生産性ダウン
・肉片が小さく、練られ現象から分離しにくくなる
・骨も潰され折れるので血液/骨髄を絞りやすくなり 血液含有量が
多くなる |
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<原 因>
- 投入量の入れすぎ
- 原料が大きすぎてフィードスクリューの上で遊んでいる
- フィードスクリューが磨耗していてすべって押し込めない
- つぶされた原料がバックプレッシャーで邪魔をして入ってゆかない
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<対 処>
- 適性投入量がある。持ってゆく量だけ投入
- 原料(中抜き)を切断/グラインダーで粉砕
- 肉盛り加工する。新しい部品と交換
- デボーニング・スクリューとスクリーンがすでに切れなくてギブ・アップしている可能性あり。スクリューとそのポンプハウジング内壁が磨耗して隙間がありすぎて戻ってくるセンターベアリングが切れなくて邪魔している
−すべて必要部品の交換時期−
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ケース .P-2
スクリーン内部の穴をチェックして 組立てを
やり直しすべき理由を2つ上げてください
答えは、[保守]のコーナーの最後にあります
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ケース aDB−1 ヘッドが上下に首振りをしている
<現 象> ヘッドハウジング内部の圧力が高くて骨の排出がままならない
肉を切るバランスがとれていない
<影響すること>
・骨片の混入量が増える
・スクリーン内部のバックプレシャーが強く、圧力の行きどころが肉を切るよりも先に脂肪、水分を押し出してしまう傾向が
ある
・排出前の骨がスクリーン前方に滞留して摩擦熱で温度を上げる
<原 因>
- リングバルブが閉めすぎ
- リングバルブが磨耗して骨を砕けない
- オーガー/スクリーンの隙間調整が必要な時
- オーガー/スクリーンが切れない スクリーンの穴が骨で詰まって出どころなし
- 練られた原料で分離が手間取る
- ハウジングのボルトが伸びてゆるみがある
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<対 処>
- 緩める。 何度も
- 研磨する
- ビーハイブを止めて調整を始める
- 研磨 又は入替え
- 原料の送りこみ状況,スクリューの状態、ローリングの多少、水を抱いているか等前段階の改善
- ボルト交換
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