骨肉分離機、POSS、BEEHIVEなど チキンミンチの本当の品質を評価 旅の楽しい話
TATS紀行  東海岸と西のアラスカの海  平成26年4月30日


ボストン・シーフードショウは、世界の水産ビジネスマンが集まる3月の3日間でした。
 私とパートナーのThomas Precision,Inc(TPM社)は、骨肉分離機TPMincerを初めてこの展示会に出陳したのですが、我々の予想を超えた注目を集めたことは感激でした。インドネシアの鮪の会社の社長は なんとその日3回もやってきました。
 古き大都市ボストンの公園に立つジョージ・ワシントン将軍の銅像
まだ寒いのにこの街は観光客とビジネス客がわんさとあふれていました。


<ボストンから北の東海岸線
シーフードショウの後 私一人になってからレンタカーで海岸線を北上する旅を始めました。
この辺はロブスターで有名だし、漁村が連なった避暑地と聞いていたから。 
メイン州ポートランドへ着いてもオフシーズンだからホテルは飛び込みOK. 水産加工工場が何社もあったけど車が少ない? つまり仕事少ない?
それからの3泊を違った街で「一番美味しいシーフードの店を教えて?」を繰り返し、毎夕 地ビール片手に地元の人との会話を楽しみました。 
・・魚が獲れないから仕事がない!ホテルの駐車係の若者の話どおり。ロブスターサンドイッチ$25を頼んだのにブラックタイガーが沢山入っていただけ・?・・漁村の看板をかけているけど避暑地の観光地が現在の本当の姿だったと思います。だから オフシーズンなので昼飯を食べる処を探すのに走りまわらねばならなかった。 魚を獲りつくした結果だから・・


<西海岸よりももっと西のアラスカでもロシアに近いアリューシャン列島>
アラスカのダッチハーバーは、アリューシャン列島の漁業基地です。ここの4ケ所の工場の3社は日本企業の子会社です。物凄い大きな工場です。ここがスケソウタラのすり身を作り、日本のみならず世界にすり身を送り出している陸上基地です。そのひとつに骨肉分離機を持ち込んでのすり身歩留まり向上テストをやるためにJerryとやってきました。
すり身の採肉機はメーカーは違っても同じ技術です。
骨肉分離機は違うものです。しかも我々の機械ならば、
                          
スケソウタラ



中骨から、頭の肉も採れる又は今は廃棄しているものから歩留まりを上げることができる。
既に5台がアラスカの基地で船上加工で稼働しているので自信がありました。しかしそうは簡単にはいきません。各社毎のすり身生産技術があり、工程も考え方も違うということでの簡単にはOKにならないという貴重な体験がまってました。


  
ハーバーで船積みを待つ魚の冷凍コンテナーの待機場   何百ものコンテナーがあった

アラスカは、アメリカ政府が漁獲高を毎年決めて漁船ごとの割り当てをあてることで資源管理を厳格に
コントロールしていると聞いています。 違反は罰金でなくてライセンスの不可ですから厳しいものです。
だから この物凄い物量の魚経済がここでもグローバルに展開できていることを目で理解できました。

到着した日から予想よりも暖かいし、晴天で雪が解けているし 
春が来たSpring has come!
人々が郊外の道を歩いている姿が
見られて エッって感じ。何で車
じゃないの? 人の顔が なんだかウキウキしてる。工場へ行っても皆が仕事に来るのが 楽しいという顔に見えました。 こんな人の姿をずっと見ていなかった事に気がつきました。 海岸へドライブしても地元の家族が海を見に来てるところにあったりして。

市の人口は 4000人とか、でも水揚げのピーク時には 10,000人に膨れ上がるとのことです。
工場はどこも 交代制の24時間操業でフィリピン人、メキシコからソマリヤ、エチオピアからの人達が大半の労働者です。漁船が魚を獲ってくる、雨が降る夜中でも作業はある。
     ++++++++++++++++++++++++
我々2人がテストに来た会社は、だからアパート群があって従業員が住み、警備員が警官のように巡回し病院まで搬送の手伝いをし、食堂がまた美味しい料理を出して、敷地内になんとバー、隣がレストランと酒屋までありました。 正に””です。 工場長に「ここはU社村ですね!」とまで言いました。
我々はテストが終わると必ずこのバーへ立ち寄ってビール1杯。それからホテルへ帰るという日課となりました。これが楽しい! バーで会う客はこの会社の人とは限らず、他社の人も来ている。だって飲める場所は2軒のホテル以外はここと空港しかありません。 スーパーでポテトチップスが$9なんて物価は高い。娯楽施設? 図書館かな。
朝は9時過ぎにやっと明るくなって 暗くなるのも9時ごろという変なアメリカです。

船の水産加工工場 At Sea-Vessel> 
港の見物をしていて大きな船に漁船から真鱈を吸い上げている光景に出くわせました。これが船の加工工場
かと見学をお願いしたら簡単にOK。








今の真鱈のシーズンだから海の上で魚を受け取って
作業員がナイフで腹を切って卵と内臓を取り出し、
サイズ選別後に冷凍する工場との事。
作業員にアメリカ人は少なく、みなさん船の中での生活をしているわけですね。 蟹工船という昔の本を思い出しました。これは既に日本船は無いのでしょうか。

真鱈の頭と内臓は、法律でそのままの海上投棄は禁止だから我々は粉砕してパイプで流しているという丁寧な説明がありました。 
だからその先には海鳥の群れが、宴の群れです。

真鱈の頭なら骨肉分離機で肉を採ってすり身原料に・・・・ まだまだ 資源はアラスカにはある!

    
魚を食べる大きな白頭鷲の群れ

   ++++++++++++++++++++++++
自然も仕事も過酷な北の海のダッチハーバー。物価も高い。生活も遊ぶところも??? でも自然の恵みの仕事があり、未来につづく希望がある。 
振り返ってみて さて日本の海ではだんだん魚が獲れないと云います。
未来に希望をどう繋げるのでしょうか。                       石井
TATS紀行インデックスへ  前へ 次へ