TATS紀行 タイランドの民主主議 2009. 9. 3
麻生自民党政権が、衆議院選挙で崩壊して民主党へと歴史に残る政権交代となりました。4年前は小泉さんの郵政改革が支持されて圧倒的勝利になったのと正反対な結果でした。私は小泉改革が国民の意思であったのにそれを元へもどしていった自民党への批判だと思います。 世界中が変化の真っただ中にあるのに変化をリードせず、期待に反した当然の結果です。

タイはいい加減な国です。国王が尊敬と愛され、クーデターが頻繁に起こっても双方の勢力が最後は国王が裁定して納めてくれるから大丈夫という安心の盲目の愛が存在しているから国の責任は誰にあるのでしょう。
タクシン元首相派勢力は、リーダーが国外追放になって何年も経つのに現体制を支持する既成基盤勢力と摩訶不思議な対立をつづけています。デモ隊の空港封鎖などと迷惑千万で非常識な行動をしているにもかかわらず、継続できる力とは一体何なのか? 金で雇われて????
昔からワイロや不正な税金を言い立ててお金は国の懐へ入らず役人のポッケットへ―当り前の世の中でした。以前は税関で手土産のりんごに60%の課税を言われたら私は当たり前に日本円で1000円に値切りました。20年間も訪問しているといろいろと慣れました。工場を建てたりする時は、認可担当の役人にアルバイトで図面を書いてもらうとスムーズに事が運び、不備があっても不問になってしまうとかのテクニックを当たり前のように聞きました。

ビジネスマンの友人の話− タクシン政権では、役所の仕事をまるでビジネス化してしまったから成長があった。タニヤ街の飲み屋の姉ちゃんに聞いてもそうだと言います。それと権益があった王族、寺院、役所につながる商売人の地盤変動がかなりあってようで反対政党がやっきになって何でも反対。でも民衆は彼を支持し、特に貧しい農村地帯の東北部イーサンでは今なお根強い人気で、バンコクでのデモに参加するために行く人も多いとの話です。
警察官僚だったタクシンは、タクシー運転手が警察から営業許可を得ても暴力団に大金を支払って[営業権]を得ないと仕事を始められない伝統をなくしました。バイクタクシーも同様でした。だからタクシーは増えたし、庶民の実収入が増えた一例です。だから 彼らはタクシン応援団です。
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イタリア水牛とタイ水牛の雑種の乳水牛、角がカールしていて愛嬌のある長い顔。結構臆病でした |
農業コングロマリットの大企業CPチャランパカポンは、野菜の種から家畜の改良の研究所をいろいろともっているので見学しました。 牛牧場でアメリカ産ブラーマンのコブ牛種牛のかけ合わせでの肉用種雄牛の生産はビジネスになります。でも<乳を搾る水牛の改良>タイの水牛にイタリアの乳用水牛を輸入し交配して乳量の改良を図ろうという企業の試みです。水牛の乳からのチーズは高価だそうです。友人である会長のPhongthepになぜこんなことをやるのかと聞くと「貧しい東北部は水田ばかりで水牛しか飼えない。だから収入が少しでも上がるような事を始めているんだ」 いい返事でした。
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しゃぶしゃぶの店 |
しゃぶしゃぶの店、Oishi(株)これは素晴らしい。 回転寿司の流れカウンターに寿司だけでなく、野菜に、牛肉豚肉 鶏肉 エビなど35品が出てきて自分の好み味付けで食べるしゃぶしゃぶ料理の店。自分専用の釜湯に何でも入れて好きに食べる。
若いタイ人でいっぱいでした。料金も皿が沢山積み上がるほど食べたのに一人300バーツ(950円) 安い! これは本当のしゃぶしゃぶではないと意見を言う日本人もいるだろう。でもこれは携帯電話と同じ。自分のタイ料理をつくって楽しんでいるからgreat
ideaと大賛成。 楽しい+美味しい+安い+満足 = 夢がある
政治とはこのしゃぶしゃぶ料理店のように新しい魅力がなければ支持されないと思いました。
未来への新しい形を民主党は見せてくれるのでしょうか
石井達雄
この手記をタイに長く暮らす友人に送ったら返事が来ました
石井様
タクシン問題は、バックに誰がいるかによって軍、警察の動きが違います。詳しいことは言えませんが深慮のほど。その意味ではいつも取り上げられるタイ民主主義はちょっと気をつけて考えることが必要です。
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