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TATS紀行
CHEEZE   鹿 狩 り  deer hunt
                            Rallye Aunis Poitou会員 石井達雄
狩は、戦場だ! 人+馬 + 犬 と 鹿の命をかけた戦いの一日だ。
フランスの3月31日はシーズン最後の狩の日だった。
犬はフランスの猟犬POITEVINポッツビン。細い大柄の体に細長とよく吠えて走でも大人しく、人懐こい。
M. Pierre Archaimbaultピエール理事長が、一群40数頭を狩のために飼育していて、すべての犬の左胴にAPのイニシアルが見える。
朝 トラックに犬達を積み込む。会の規則では白、茶、黒の三色の犬しか狩には出られない。
今日は31頭の出番だ。馬は、自分でトラックに乗り込む。自分の仕事を知っているのだ。 
栗毛のトロッターは、DogMaster 猟マスターの Thierry Saunierチェリーが、乗るはずだ。 斥候役の甥のサミュエルは鹿毛の背の高い馬だろう。
私は 今日どの馬に乗せてくれるのだろうか。
頑張るぞ!
夜の8時でさえまだまだ明るいフランスだから 昼食会をしてからゆっくりと狩を始めて、8時に終了予定との事。
勢子をつとめる村人たちと会員のハンターでいっぱいの「狩人の館」で昼食会が始まった。ワインとコニャックそれに体力をつけるためにステーキを焼き始めた。Tats!君はこのワインが好みでないのか? イヤー 酔って馬に乗るわけにゃー。大丈夫、馬は歩いてくれるから酔払い運転はありえないよ。 もう一杯飲めよ Tats!

ホルンの演奏でエールの交換をした後、犬の群れは放されて森へ向かった。 
猟マイスターの鞭の響きと犬群れに賭ける号令が、先頭を行く。犬たちは走り出した。髭で坊主の大男Thierry, Philippeが二手に分かれて早足で南へ。 親友Danielは、今までに逃していた「右の角先が白い奴」を是非捕らえようと仲間と目標にしている。 あいつは北の森のあの辺にいるはずだと別の道を進む。
 我が会のルールは、最初に見つけた雄鹿を最後まで追いかける!だ。途中に大きい獲物が出ても追ってはいけない!
 ホルンが鳴った。ホルンで通信してるんだ。  
Danielが、今3頭の鹿が居ると言う。そこだ!
鹿がうずくまって積み上げられた薪木のそばにいた。雌だ。ダメだ。 
先方の北側から合図があった。 
それ行け! ハンター達は自分の子供と一緒に馬を駆って鹿を狩っている。上手い! 
どんなところでも馬を乗りこなせている。鹿を追ったらどこでも追いかける。 
野バラの道 枝が頭に打たる林を駆け抜ける! 寒い。
3月31日だぜ。昨日の雨でぬかるみの凸凹道だ。友から借りた栗毛の牝馬は、ギャロップすると足を取られる。 
ゆっくりゆこう。
森の雑木林の枝に打たれる。ずぅーと時間が経った。
犬たちが鳴きながら 茂みの中を走っている。
北へ向かった。 




ホルンが「鹿を捕った!」と歌った。 
私は道がわからなくなった。 
やっと辿りつた場所には鹿を仕留めて勢子の皆さんも集まって歓声を上げていた。
Tats! We‘ve done. 
Thibaultチボーがやったぜ!、と言ってくれた。
戦いの先端はどうだったのだろうか?
Cruse会長が今日の終わりを決めた。7時だ。犬を集めるホルンを吹く。今日は終わりだのホルンを吹く。
犬たちはずっと一緒に獲物を追っかけているのではない。バラバラになる。なかなか集まれない。
ハンターも同じだ。一生懸命やってもなぜ目標から当たり前のように離れてしまうのか。

鹿の肉は犬たちに与える。食べることも戦いだ。 
今日の栄誉の鹿の右足は私にくれるという。一生懸命にやった。でも私はやっと最後に辿りつけただけだった。
狩の最中は一日中何にも頭の中に無かった。音を聞こうとし、馬に気を使い 夢中で鹿を追っている1日だった。
狩から学ぶものは多い。

晩餐会でワインと友情にしたたか酔った。うれしかった。翌朝 あの鹿の足が見当たらない。恐縮しつつDanielに訊ねた。「Tats! お前 昨夜骨ごと食べちゃったよ。覚えてないのか?」悪いフレンチ・ジョーク我等がRallye Aunis Poitou会が、剥製にして送ってくれるそうだ。
次の2007-2008シーズン 11月の開始の狩りに私はまたこの森にいなければいけない。 石 井 達 雄
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